■僕たちの家
 

 


■僕たちの家

《これは建て主のポリシーを設計者が側面から支援・協力するかたちで造られた“建主がつくる住まい”である》

周辺にはまだ田畑の残る風景の中に建つ若夫婦の離れ。プランはシンプルかつ大胆。中央部にこの家のシンボルでもある土間が横断する。
ここへ至る迄の路地は細長いトンネル、これから展開する場面への期待を膨らませる場所でもある。

ここは玄関としての機能と共に母家から田畑への通行をも兼ねる。
閉鎖的な路地の角を曲がればそこは別の世界、目の前に開ける自然が目に飛び込む。
そこを経由して庭へと導かれた導線は建物を1周することができる。

1階広間・2階ホールのパブリックな部屋は壁一面の窓をもつ、
ひたすら開放的な部屋。ここには内外の境界はそう感じられない。
広間に続くデッキは大きな自然のなかに切り取られた箱庭。
隔離された自分たちだけの外部スペースでもある。

この家の仕上げは内外共、石綿板・アルミ板・木材の構成。
いずれも自分らしく振る舞いながら空間にとけ込める素材である。
特に石綿板の素地はその奥深さから床・家具にと多用されている。

和室は土間を挟んだ離れの個室。現代の雅の世界。
壁には和紙が適度な大きさにカットされ、貼られている。

この家は基本的にはローコストだが床暖房・デッキ・シンプルな
オーダーキッチンなどにはこだわっている。
ローコストとはただ安いものを使うことではなく、意味のない見栄や常識といったものを切り捨てて自分たちが本当に快適に住まえる空間をつくる、といった考えにもとずいているからである。

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